社会問題を語るときはマクロとミクロの問題は分けて話そう

Posted 2 months ago by yoosee.
  social

主旨はタイトルの通りでそれ以上でも以下でもないのだが、社会問題について話す際には意識して「マクロ:社会全体として解決するべき問題」と「ミクロ:個人が主に自己防衛のために行うべき行為」は分けた方がよい。

社会と個人

実例でいえばこういう話のこと。

  • マクロ: 社会として、女性が夜中に外出しても問題のない治安のよい安全な街づくりをするべきである
  • ミクロ: 個人として、危険を避けるために女性は夜中に出歩くのを避けたほうがよい

これらマクロとミクロの意見は問題なく両立・並立しあえるのだが、混合してしまうと得てして特にミクロの意見に対して「女性が夜出歩くなというのは本質から目をそらした指摘だ」「全ての女性に不利益を強いるのか」みたいな話になったりする。

(なおミクロの意見も「全員が必ずそうすべきだ」と主張する人はいて、それはマクロの立ち位置での主張と扱うべきだろう)

最近話題の働き方改革と過労死(の個人責任論)についてもマクロとミクロでの意見があり得る。

  • マクロ: 過労死が発生しないよう企業での適切な労働環境とそのための法規や行政指導が必要である
  • ミクロ: 過労死が発生するような職場からは労働者は積極的に逃げたほうがよい

面倒なことにこれは観点次第でどちらも正しくなり得るため、双方が「なぜこんな自明に正しい主張が納得されないのか」というすれ違った認識のまま不毛な議論を続けることになりがちだ。

自分がそうした状況に陥った際はマクロとミクロが混合されていないのか確認したうえで、自分がどちらの側に立っているのか、相手の意見も別観点からは受け入れられるのかどうかを見直して話を立て直すことが役に立つと思う。

 

FitBit Versa レビュー

Posted 2 months ago by yoosee.
  smartwatch versa fitbit

少し前から「買収したPebbleの遺伝子を引いている」との評判がある Fitbit Versa を使っているので簡単に利用感をレビューする。スペックなどは Versa製品ページ を参照のこと。なお先行発売されている海外では、絶賛まではいかないまでもそこそこ評判は良いようす。

Fitbit Versa

総評としては、バッテリー寿命が長く重さも軽めで防水、といった特徴のお陰で基本付けっぱなしにできるのが煩雑さがなくてよい。個人的にスマートウォッチに求める機能は「時計」「通知」「ヘルストラッカー」で、これらの用途はきちんと満たしてくれる。そうした使用感の快適さは確かに Pebble にあったもので、UI やスマホ側アプリのつくり方を見ても確かに Pebble ぽいなあと思うところは少なくない。

ただそうなると残念なのは画面の常時表示がないことで、時計を見るときや通知が来たタイミングで腕をひねったりボタンを押したりして画面を点灯させるアクションを取らないといけないのは Pebble に慣れた身には本当に鬱陶しい。後述するが、せめて通知が来たタイミングでの自動点灯くらいは設定可能にして欲しい。

Versa用アプリはあまり充実していないのでスマートウォッチに色々な夢と希望を求めている人には向かない気がするが、そういう人は Apple Watch なり Samsung Gear でも買ったらよろしい。あれはあれでよく出来てるし。

良い点

  • サイズが(スマートウォッチとしては)小さめで軽量、デザインもシンプルで悪くない
  • バッテリー寿命が公称4日間、実質でも24時間で20%前後の消費量
  • アプリケーション通知は個別にカスタマイズ可能で Quick Reply も可能
  • 300x300の解像度と高い輝度で通知の文字も見やすい
  • タッチスクリーンと大きなボタン3つの使いやすいUI
  • プールでも利用可能なレベルの防水
  • ヘルストラッキングが優秀
  • 時計のバンド交換は簡単で、標準の22㎜バンドが使える

総評にも書いた通り、バッテリー寿命が長いのが使い勝手の煩雑さをかなり軽減してくれているのが利用体験としてはかなり重要に感じる。ヘルストラッキングの性能も高く、特にスリープトラッキングが面白い。バッテリーが十分に持つので、夜中は外して充電なんていうルーチンを考えなくていい事も重要だ。

Health Status Tracking Sleep Tracking

睡眠状態の記録を見ると睡眠時間中でも実際には覚醒していて睡眠時間にカウントされていない時間があって(図の赤い部分)、睡眠時間が思ったより短く出ていて悲しい気分になったりもする。これもう1時間早く寝ないといけないということなのか。ちなみに上の記録は欧州に出張中にメラトニンを飲んで寝ているので冒頭きちんとDeep Sleepなのに明け方に覚醒状態になっていて典型的な時差ボケ時の睡眠っぽい。

残念な点

  • 画面が常時表示ではない
  • Androidのスマホ管理用アプリ(Fitbit App)があまりいけてない
  • 今時のスマートウォッチが持つようなリッチな機能(音声命令や通話やナビなど)を求めても無い
  • 充電が Qi など標準規格ではなく専用アダプタかつ接触端子なので腐食しないか不安

画面が常時表示出ないのは今どきの殆どのスマートウォッチがそうなので仕方がないことではあるが、Pebble からの移行組が一番ストレスを感じるのはこれだろう。またまだしも「通知が来た時に画面が自動的にONにならない」のは不具合としか思えないのだが、FitBit forum でも Make Ionic and Versa screen stay on longer to read notifications という Suggestion に大量の Vote が付いたのでそのうち改善されるかもしれない。

ちなみに 3rd Party 製のウォッチフェイスに「常時点灯」オプションがあるものがあったので試したが、バッテリーが1時間あたり 8-10% 程度減るのと、常時点灯設定なのにいつの間にか画面が消えていたりして、やはり使い物になる感じではなかった。画面輝度を最低に固定すると多少はバッテリーの持つ時間が伸びるが、屋外での視野性が壊滅的になるのでお勧めできるものではない。こればかりは物理デバイスとしての特定によるところなので、残念ながら将来のデバイスに期待するしかない。

スマホ側アプリのいけてなさ、特にクロックフェイスギャラリーの使いにくさは特筆される酷さで、Clock Face の選択が1つしかできず気に入った時計を簡単に切り替えられないとか、人気のフェイス順などのフィルタもないとか、またそれ以外でもアプリと時計との同期がしばしばしくじっているとか、スマホの通知エリアの通知内容がダサいとか、いけてない感が強いのが多い。とは言えソフトウェアなので改善が期待できるところではある。これこそ Pebble のアセットでなんとかすればいいのにと言いたくなるものではあるが。

また海外出張でタイムゾーンが変わる際に、スマホがローミングの電波で時計が変わったら時計も即座に変更されて欲しいのだが、どういうわけか変更されて1時間程度は時計のタイムゾーンが追従してくれない。ForumSupport などでやり取りした限りでは、Account 設定 > Advanced Settings > Automatic time zone をいったん Off にして手動で Timezone を選んでから手動で Sync すると追従させられるようだが、タイムゾーンを合わせるためには自動タイムゾーンをオフにする、とかもう頭悪いとしか言いようがなく、こんな事をしなくても時計が合うのがスマートウォッチの良いところでであり、このださい仕様は本当に何とかして欲しい…

まとめ

正直に言えば Pebble Time Round を使い始めたときのような感動には至らなかったし、スマートウォッチとしての出来はアプリ側を含めて甘い部分も多い。とは言え「時計」「通知」「ヘルストラッカー」という3つの目的はきちんと果たしているし、長い電池寿命を含めてユーザ体験が快適に作りこまれている感はあり、時計として身に着けて使ってストレスにならないという地味だが最重要な項目をきちんと満たしたスマートウォッチは貴重じゃなかろうか。

Pebble と比べると常時点灯がないなどストレスに感じる部分もあるが、ヘルストラック部分は流石 FitBit だけあってちゃんと作られており、有意な点が無いわけでもない。さほど値段も高くないこともあり、個人的には他人にお勧めしてもいいクォリティだとは言える。

 

米国人と働く時の心がけ

Posted 6 months ago by yoosee.
  usa uscompany

米国人と働くときに覚えておいた方がいい心がけ。米国企業で9年ほど働いてその前後も米国人とお仕事している経験に基づいてはいるが、もちろん個人的な見解です。

United States of America

褒めろ!

とりあえず大げさなくらい褒めるのが基本。ちょっとした依頼へ対応してくれたくらいでも Great, Cool, Wonderful, Awesome, Amazing, Marvelous なんて単語を日常的に使う。Perfect は誉め言葉であって本当にそれが「完璧」かどうかは別問題だ。

まあ、正直米国人もこうした単語は「本当に素晴らしい!」とまでの意味ではなく単なる投げかけの挨拶として使うことが多い。本当にきちんと褒めたいときは「君のやったこのアクションはこういう結果に繋がって誰が喜んでいて素晴らしい!」などのように具体的に褒めるべし。ちょっとしたギフト、例えばスタバの$10チケットとメッセージカードを贈るなんてのも効果が高い。

日本人は得てしてプロジェクトが成功しても直後に「反省会」などと言い出し、「失敗した点・改善できる点」などをレビューしようとする。米国でも例えば Retrospective のように「振り返り」会はあってもいいが、基本はたとえトラブルシューティングの事後レポートであったとしても「成功した点」「良かった点」を必ず最初に共有するものだ。褒めよう。

褒めて伸ばすのがアメリカ人の基本の基本。褒めたからと言って仕事内容を全て肯定したということにもならない。まず褒めろ。

謝るな!

日本人が英語を話すと大変気軽に I’m sorry を使う。特に相手に無理を聞いてもらった時に I’m sorry と言われると「あれ、俺は謝られるようなことをさせられたのか?」と思ってしまう。こういう際は Thank you や I appreciated it など「ごめんなさい」ではなく「ありがとう」と言おう。

米国人も別に謝らないわけではないが、そもそも日本で言う「申し訳ないんだけど」的なニュアンスは日常会話はともかく仕事にはあまりないので、例えば I’m sorry but … などの代わりに I appreciate if you could … や It’s great helpful if … などを使うのがお薦め。「すみません」と言いたいにしても、せめて Excuse me を使おう。

なお本当に謝らないといけない時、例えば道を歩いていてよそ見をして他人を突き飛ばしてしまった(特にそれが子供やお年寄りだった)、みたいな際には大げさなくらいに I’m really sorry… と言うのも米国人なので、「米国人は絶対に謝らない」みたいな誤解もしないように。基本的には謝らないのではなく場合によって使う単語が違うんである。

反論は認めてからだ!

完全に喧嘩になっているならともかく、普通の話し合いでは相手の話は相手の立場からの話としていったん認める。認めたうえで「俺の観点は違う」という説明をする。I could understand what you’re saying, however, from my point of view, などのように伝えるのもあり。自分の意見を言うのに相手の意見を否定する必要は必ずしもない。「お前の言っていることは分かるがそれだと俺は困るんだ」で十分だ。

なお米国人は割と気楽に I don’t know を使う。え、それお前知らないって言っちゃっていいのかよ、みたいな話でも I don’t know と平気で言ってくるのはいいんだか悪いんだかという気分にはなるが、知らないものを知っているというよりはよい気がする。

上から落とせ!

米国の仕事では上司から部下への強制力はかなり強く、ほぼ軍隊のような指揮命令系統になっていることが多い。これは多くの米国企業では上司が部下を雇用して評価するという強烈な人事権を持つことに恐らく由来する。

それもあり、外部とのやり取りなどで判断が必要なことは Manager 以上のレベルが行うことが多い。なので現場の担当者とどれだけ話をして詰めた気になっていても、上司に話が通っていないとそこで話が止まる。仕事をするときには、誰がどこまでの権限を持っているかを理解して、適切な「上」から話を落とすことが必要になる。

この上下関係というのは米国企業では本当に厳しい(もちろんスタートアップみたいなカルチャーだとまた違ったりもするが)。なので、上司が「これをやってみるべきだと思う」などと言ってしまうとそれが馬鹿げた話だとしても部下が淡々と従ってしまったりするし、この場合に責任を取るのは部下ではなく「命令をした上司」だ。上の立場の人が思い付きを話すときには It’s just my idea and don’t have to follow exactly what I’d say, but … のような前をしないと危ないし、前置きをしても結構危ない。気を付けるべし。

また米国人は「権限を持たずに他人の代弁をすること」にも大変気を遣う。日本人だと「多分XXXってことだと思いますよ」などと他人の話を気軽にしたりするが、米国人が話すときには I don’t want to speak on behalf of him, but I just think he might … のように「いや俺は彼の代わりの立ち位置で話すことはしたくないけど、あえて推測として言うならばこういうことじゃないかと思うよ」くらいの前置きをする。

とまれこんなところか。よろしくご査収ください。

 

コンパクトにまとめることを目指したミニマムな旅行用の洗濯セット

Posted 6 months ago by yoosee.
  travel

長期間の出張や旅行をしていると当然ながら着替えが足りなくなるわけで、だいたい4泊くらいが洗濯なしの限度で5泊を超えると洗濯が必要になる。もちろんホテルがランドリー・クリーニングサービスを提供していることは多いが、往々にして大変高く、パンツ1枚に400円くらいとられたりする。これがまたパンツにアイロンがかかって返ってきたりするとうーんとなるわけだけど。

コインランドリーなどがあるところならそちらを使うのもいいが、国によってはコインランドリーはあまり治安のよろしくない場所にあったりするので(つまりは往々にして自宅に洗濯機がない層の住んでいる地域にあるものなので)、使いづらかったりする。

前置きが長くなったが、そんなわけで長期の出張・旅行には洗濯セットを持っていくことが多い。洗濯セットの構成を何度かいじって試行錯誤していたが、今のところこんな感じのセットを持ち歩いている。

旅行用洗濯セット

セットの内容はこんな感じ。

ドライバッグは何に使うんだと思うだろうが、端的にはこの袋に洗剤と洗濯ものを入れて揉み洗いし、袋ごとぎゅっと押し絞って水を抜き、また水を入れてすすぎを数度し、脱水する、というように使う。洗剤を入れて洗う時には無印のシリコン洗濯板を一緒に入れて押し洗いすると汚れが取れやすいので組み合わせて持って行っている。

これはまさにそういう用途の Scrubba Portable Laundry System Wash BagAmazon JP)という商品があるのを見かけて買おうかと思ったが、たまの長期出張に使うには少々値段が結構高かった。レビューを見ていると「普通のドライバッグで代用になるよ」ということで、$10もしないドライバッグが紹介されていたので使っているが、大変役に立っている。これが無いとすすぎと脱水がかなり大変なので、一つ持っていくのはお勧めしたい。

もちろんバッグなのでこの中に他の洗濯セットを入れて持っていくこともできるし、畳めば小さくなるので他のバッグの中に入れて持って行ってもいい。日本でも 2Lのドライバッグ は600円くらいから売っている。個人的には 2L のサイズで十分だと思うが、洗濯の量次第では5Lくらいのものでもいいかもしれない。そこはお好みで。

洗濯してすすぎと脱水が終われば干すわけだが、これも何かしら道具がないとなかなか乾かない。エアコンの吹き出し口のあたりに干しておくのが一番よく乾くので、うまいことその辺りにロープを張ったりハンガーをつるす工夫が必要になる。特に旅行の際の洗濯は下着や靴下など小物が多くなるので、それ用の道具があると便利で、無印のハンガーはサイズ的によい感じだ。

キットに入れているゴム紐は2本がねじってより紐になっているもので、ゴムを張ると撚りの隙間に洗濯ものを挟んで干すことができるので洗濯ばさみが不要なのが便利。この商品はだいぶ前に買ったので見つからないが、似たようなものだとこの 洗濯干し用ゴム紐 あたりだろうか。

洗濯道具自体が場所を取ってしまうとそもそもその分だけ着替えを持っていけばいいじゃないかという話になるので可能な限りコンパクトなセットにしている。まあこだわりがなければ洗濯ひもなどは洗濯ばさみ付きの洗濯ひもの方が安いし使い勝手もいいかもしれない。

このセットですらそれなりには場所を取るので長期出張の時以外は持ち歩かないが、洗剤は1,2個持っていると何かの時に使えるので、洗濯セットとは別に洗顔用品セットの方にも入れてある。転ばぬ先の洗濯用品。

 

そろそろPSVRについて一言書いておくか

Posted 8 months ago by yoosee.
  vr psvr game review

2016年後半に販売されたPSVRをもって「VR元年」とか言っていたのが去年の年末なので「VR2年目」としてそろそろ丸1年が経過しようとしているというややこしい状況なのだけど正直に言ってVRがガンガン発展した一年かといわれると難しい感じであった。

[SFマガジン2016年12月号表紙より](http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013366/)

うちも例に漏れずPlaystation VRPS4 Proと一緒に購入して遊んでいるが、正直に言えば期待ほどじゃなかった。PS4 Pro の方は FF15, ドラクエ11や Horizon zero dawn 、Just Dance などVRではないゲームも遊んでいるので買って無駄だった感がないのは幸い。

個人的なPSVRへの不満はほぼ解像度が足りないに尽きる。他にも操作性の問題などもあるがこれはPSVRそのものよりはゲームによる部分も大きい。ケーブルの取り回しやヘッドセットの装着も面倒だがこれも我慢できないことはない
(なお置き場所も結構困るのでPS4/PSVRスタンドなどを買うのをお勧め)。致命的なのはやはり解像度だ。

PSVRの解像度は1920×1080だが、この手のヘッドセットの性質として片目ごとに半分の横解像度が必要なので実質的な解像度は960x1080ということになり、横解像度がちょっと前のPCモニタより低い。これは別にPSVRが特段劣っているわけではなく、同時期の Ocurus Rift や HTC Vive も解像度 2160×1200 、片目当たりの横解像度が 1080 なので大差ないのである。TVやモニタが 4K で横3840 pixel が普及している現状でこの解像度の低さは辛い。

実際にゲームをプレイすると、この解像度による向き不向きが強く出る。つまり高解像度を要求するような自然の風景などのオープンワールド表現や隣接距離の人物表現などは鮮明さに大きく欠ける。VRに期待する臨場感を実現するには現状のスペックは足りてないのである。

この制約下で楽しめるゲームは何かといいえば、ひとつは「初めからポリゴンやワイヤーフレームで構築された世界」だろう。代表的な名作が Rez Infinite

これはPSVRを買ってよかったと思える名作で、めくるめく仮想空間を浮遊する爽快感というか異世界感というか、現実じゃないところにいる感覚が素晴らしい。特に Area X の浮遊感は格別。また操作もコントローラーに頼らず視点移動で済ませるあたりがまた遊びやすさと没入感をサポートしている。PSVRを買った人なら必ず遊ぶべきゲームと言っていい。

もう一つのカテゴリが「探索先が薄暗いので解像度の低さがごまかしやすい」ゲームで、代表としては Biohazard 7 Resident Evil だろう。

ただこの手の脱出系VRにはゲームデザインとして別の問題が出ており、端的には「そんなに逃げたいならそこの窓を割って逃げればいいじゃん!」という、VRという環境において、現実世界とゲーム的なお約束の間にあるギャップを強く感じてしまうのだ。「鍵がなくてあかないじゃないよ木の引き出しなんて手元のバールでこじ開けろよ」とか、逆に「よくこんな首まで深さがある汚水に躊躇なく立ち入れるな…」みたいなのがいちいち気になりだすとゲームに集中できなくなる。

とは言え暗闇から突然襲われる感覚やゾンビに斧で切りかかられる恐怖感や、ギシギシ音を立てる洋館の地下へ踏み入れていくと後ろから怪しいオヤジに頭をかち割られるとか俺は前世でどんな悪行を積んだんだと愚痴りたくなるくらいの臨場感はやはりVRならではのものだと思う。

オープンワールド系だと例えば The Elder Scrolls V: Skyrim VR なんてものも出ている。

これは最初に書いた通りで解像度の問題が出ていて、プレイ動画を見てもらえばわかるレベルで明らかに描画の粒度が足りないし、また操作がすごく難しい。Skyrim で操作が難しいってどんな地獄だよ。VRとオープンワールドの相性の良さ自体は味わえるし、Skyrim の世界をVRで歩き回れるのは快感ではあるのだが…。

また別の方向性として サマーレッスン:宮本ひかり みたいなものもあるわけだが、これも解像度の問題があると共に、ゲームのつくりとして人物のリアルな描写というのがきちんと作りこまれていないなあという残念感がある。その辺りは将来的には改善されていくのだと信じたいが。

そんなわけでVR元年が明けて2年目となった2017年だったが、圧倒的な飛躍というにはちょっと物足りない1年だった。とはいえVRが世界を変えていくことはどう考えても明らかであり(例えば超高解像度で内部でPCモニタも再現できるくらいのVRがあれば事務仕事であれば物理的なオフィスは不要になるわけである)、2018年のVRさんの活躍に期待していきたい。それはともかくPSVRももう少し良いタイトルが増えると嬉しい…。