世間ではAmazonとGoogleが大人げないやり取りをしている様子だが、うちにでは Amazon Echo Dot (Alexa) と Google Home mini が仲良く?並んでいる。個々のレビューは以下参照。
一応 Alexa は英語、Google Home は日本語という使い分けをしているけどまあ、どちらもそれなりに実用性のあるオモチャという感じである。で、こいつらと自宅のインターネットにつながっている家電を繋いで遊んでいるわけだ。今のところインターネット接続機能搭載家電の制御が主で、IR経由での制御は無し。
各アプリでのスマートホームの設定
Amazon Alexa は Smart Home という名前の連携SDKを持っていて、Smart Home 対応製品 は Alexa アプリから簡単に接続して利用可能にできる。海外では様々な企業が Alexa 対応家電を出しているが、日本で手に入る代表的なものは Phillips Hue だろう。
Google Home も同様に Home Control という機能を持っていて、対象を選べば自宅の Wifi 内をスキャンしてデバイスを追加することができる。そちらのレビューにも書いたが、LAN内をスキャンして対応家電を一括登録してくれる Alexa に対して個別製品を選択して登録する必要がある Google Home は多少煩わしい、とは言えさほどの手間でもないし初回登録時だけの話ではある。
手持ちのスマートホーム家電
Phillips Hue
紳士のたしなみとして Phillips Hue の電球を使っている。Hue は Alexa も Google Home も標準対応したデバイスの筆頭なので、Hue の方で名前を付けておけばそのまま各スマートスピーカーから音声で制御ができる。うちだとダイニングテーブル (Dining) とフロアライト (Floor, Spot) の2計3つを音声コマンドで制御できる。Spot はカラーランプなので、Scene (色合い)の変更も可能で、Scene 名を指定することで色を変えたり、また音楽再生に併せて色を変化させるなどもできてなかなか楽しい。とは言え普段は物理スイッチからON/OFFすることが多いが、この手のリモコンは勝手にどこかに旅に出たりするし、暗い部屋でとりあえず電源を付けたいときに話しかけてON出来るのは便利ではある。
Berkin Wemo
もうひとつは Wemo Smart Plug で、これは単純にコンセントとソケットの間に入れて電源をON/OFFすることができるデバイス。動作としては単純だがそれだけに汎用的でそれなりに使い出がある。うちではこれにサーキュレーターを繋いで、スケジュールでのON/OFFをかけたり、音声でのON/OFFをしている。ソケット側の制御なので風量制御などは出来ないが、それなりに便利。本当はエアコンに連動させたいのだが、後述の通りDAIKINエアコンのインターネット接続の状態を拾えないのが残念なところ。
Chromecast & TV
知る限り Google Home のみだが、Android TV や Chromecast 内蔵、ないし HDMI に挿した Chromecast 経由でCEC対応のTVを操作することができる。Google Home にリンクした Netflix を直接起動して動画再生したり、音量や字幕の操作もできるのはなかなか便利である。うちのディスプレイは Chromecast 内蔵で Netflix や Youtube からのON/起動と操作は出来るのだが、なぜか電源のOFFには対応していないのが残念。またアンテナには繋がっていないので地上波なりの操作は試していない。
ちなみに「OK Google, Netflix で Star Trek を再生して」とお願いして再生されたのは Star Trek リブート一作目だった。それかい。
DAIKINエアコンやその他の繋げられていないデバイス
うちの DAIKIN のエアコンは専用アプリからインターネット経由でも操作できる。さてもしかして対応があるかなとIFTTTを探すとちゃんとDAIKIN Serviceがあり、これは! とリンク先を見てみるとしかしEMEA地域 (Europe, Middle East and Africa) のみの対応だった。なんで日本で対応してくれてないのか。スマホアプリも Out-of-Home Link の仕組みも同じようなので技術的な問題ではなく運用やポリシーの問題なのかと思うが、これが外部連携できると温度計と連動して動作させたり、動作時にサーキュレーターを連動してONする等ができるのに無念である。
照明についてもメインのシーリングライトはインターネット接続されていないので「おやすみ」と言うと照明がすべて消えるという感じの動作が出来てない。幸い赤外線リモコンで動くので、やはりそれ用のデバイスを買うべきかと思うが、インターネット対応しているデバイスがそれなりにある現状からだとなにかに負けた気がする…
なおアプリから操作できるエアコンと言うのは外部連携なしでもそれなりに便利で、動作タイマーを設定して朝晩に自動でON/OFFさせたり、外出先から帰る途中にエアコンをつけたり、あとこれも常としてリモコンが旅に出るのでリモコンを探さずともスマホから操作したりと、利便性は高いのだった。
IFTTT 連携
IFTTT: Alexa と IFTTT: Google Assistance があるのでサービス連携も色々と考えられるが、今のところ上記の家電はそもそもネイティブ対応しているのでわざわざ連携を組む必要はない。また商品コンセプトとしては仕方がないのだろうが、IFTTT側からスピーカーを鳴らす Action が存在しないので、あくまでスピーカーに何かを話しかけて他のサービスのトリガーを引く、という使い方しか無いのは、意図は理解できるが残念ではある。まあつまりは「You gotta mail」みたいな機能は今のところ想定外ということである。
スマートホーム向けに Echo Dot と Home mini はどちらがお勧めか
甲乙つけがたいが、今の日本ではどちらもやれることはさほど違いがない(米国だと Alexa の方が対応機器に一日の長がある)。その上で、音楽再生をそれなりにするということを考えるのであれば、外部スピーカーへの出力が容易な Echo Dot が有用だし、対応機器を持っていてテレビ操作を重視したいのであれば Home mini がよさそうだ。まあ、2つ買っても iPhone X の 1/10 程度だと思えば2つ買ってしまうのがいいかもしれない。
スマートホームは現実として便利か
インターネット経由やスマートフォンから家電を操作することがどれくらい便利かと言われると、まあものによるかなという無難な回答になってしまう。今のところ「無いと困る」というものはあまりないが、リモコン操作が基本な家電、つまり照明、テレビ、オーディオ、エアコンであったりは利便性の良さは感じる。音声入力ならリモコンを探すひと手間が不要で、その場から動く必要もない。
特に音楽再生に関しては再生の指定が音声でも割と問題なくできるので、特にサブスクリプション型音楽サービスなどとの相性が良い。実際うちの幼児でも再生している程度には簡単だ。季節に応じて「Alexa, Play Christmas song」など指定すると簡単にそれっぽい雰囲気の音楽を流せるのも生活に潤いが出る。
またスケジュールタスクを設定したい家電、つまりは冷暖房器具なども結構便利で、季節に合わせて朝や夜の決まった時間にエアコンのON/OFFなどを設定しておける。まあこれは温度・湿度・汚染・CO2・在不在センサー類と組み合わせて空調管理を完全に自動化するという夢の領域があるわけだが、そこまでやるなら家の空調を丸ごと制御できるものにしたいような気がしてしまう沼でもある。米国だと元が全館空調なのでセンサー付きリモコンだけ買えば大体事足りるのだが。
逆に言えば上に挙げた家電が対応できればひと段落してしまうかもしれない。それ以外の家電だとそもそも人間が物理的にタッチする必要なものが多く、例えば殆どの調理器具は材料を入れたりする必要があるし洗濯機や冷蔵庫をリモートから操作しないといけない状況もあまり思い当たらない。もちろんこの先に冷蔵庫の中身の把握までリモートからできる、なんていうことになればまた利便性は上がると思う。
スマートホームはある意味沼でありその底は深い。なんせ、行き着けば家や車を買うことになりかねないわけだからして。