Google Home mini を買ったのでざっとしたレビュー。なおビックカメラで定価 6,480円で買った直後にコジマが半額で売っていることを知らされてダメージを受けているところ。まあまだしも mini なので差額は3000円程度だけど…
Google Home mini の見た目はミニマムデザインのお手本という感じで、マットな質感のチャコールのドーム型スピーカーに音声反応時に4つのドットがインジケーターとして光るという、どの部屋に置いても違和感がなさそうにうまくまとめたものになっていて、よくできていると思う。比べると Echo Dot はちょっとプラスチックでブルー発光なチープ未来という感じがしないでもない。
セットアップ
Google Home の箱を開けて使い始めるまでの難しさはほとんどなく、Google Home を自宅で電源に繋ぎ、スマホに Google Home App (iPhone版ももちろんある) を入れ、関連付けする Google アカウントを選んでデバイスの登録を行うだけ。
ただ快適に使おうと思うとアカウントのリンクを行う必要がある。例えば「音楽を鳴らして」と話したときにどの音楽サービスで再生するかなどの話だが、こんなの Google Play Music を標準登録しといてくれと思う。うちだとその他に Netflix や Spotify など幾つかのサービス登録をしたが、この辺は個別に「設定」から追加が必要で、ちょっと不親切。スマホにあるサービスは自動でサジェストするくらいして欲しい。
また自宅のインターネット接続家電のコントロールをするならば Home Control も登録する必要がある。この辺り Alexa は Smart Home で追加を選べば勝手にLAN内をスキャンして対応機器を一通り自動登録してくれるのだけど、Google Home は対応サービスを手で選んで登録する必要があり、登録自体は簡単なのだがひと手間分余計な感がある。
音声認識と使い勝手
基本となる音声認識と音声応答だが、音声認識は日本語を結構ちゃんと認識してくれて、聞き間違えられて何度も言いなおすといったストレスは少ない。逆に音声応答の方は、英語の発音は自然に聞こえる一方で、日本語の発音は何というか「ゆっくりしていってね!!!」をほうふつとさせるイントネーションのおかしさがあって微妙に引っかかる。まあこんなのに完璧を求めてリリースが遅れるよりはよいと思うけど、普段使いを目指すなら改善してほしい部分ではある。
Google Home にニュースを聞くとなぜかNHKラジオの最新ニュースが流れる。実用としてはまあこの方がよいのかもしれないし、当然ながらNHKのアナウンサーの方は発音も完璧なんだけど、Google News や Newsstand なりのニュース系サービスを持っているはずの Google がNHKニュース流しちゃうのはなあという残念さは感じる。ワード検索にしても、Alexa もそうだが大抵の場合は Wikipedia の定義を喋ってくれるわけで、まあそうだよなと思いつつもあまり Google ならではという感はしない。
あと Google の問題以前に日本語の問題として、日本語はどうも叙述的というか命令を簡潔に伝える言語構成ではない感があって、日本語でのコマンドというのは話しかける方も難しく感じる。端的には話しかけながら途中で言いよどむことがある。英語での命令は基本的に Do something であって命令 Do が最初に来るので組み立てやすい。とは言えこれは話しかける側の問題であって、Google Home はうまく日本語を解釈してくれる。
なお Twitter でも何度かつぶやいているが、Amazon Echo の “Alexa” という呼びかけに対して “OK Google” や “ねえ Google” というウェイクワードは少々呼びづらい。Apple ですら Siri なわけでここで自社名を連呼させなくてもいいじゃないかと思うし、そもそも OK Google ってシラブル多すぎだろう。Google の技術力であればむしろ 「任意のウェイクワードを設定できる」くらいのことはやって欲しい。
Google Home (mini) は買いか
mini の 6000円という値段を考えればエンジニアのおもちゃとしてはまずまず楽しめると思う。キャンペーン半額などで 3000円なら猶更。IFTTT の連携も当然あるので色々なサービスを Google Home からトリガーすることができるし、独自アプリの作りこみとしての Actions on Google も作るだけなら難しくない。まあ Alexa の Skill も簡単に作れるのでゴミだらけになってるわけだけど、何か作って自己満足するくらいの楽しみ方は出来そう。
非エンジニア向けにどうかと言われると、例えばうちの場合は Echo Dot と Google Home mini が2台同じ部屋にあるが、うちの幼稚園児と小学生が呼びかけて音楽を流したり英語のスペルを教えてもらったりタイマーをかけたりしているので、使うのは問題ないと思う。なお一番よく使うのは音楽なので、音楽サービスを使うかどうかは考慮するのが良さそう。手持ちの mp3 ファイル等がある人は Google Play Music に全部投げ込んで使うとよいのではないかと。
Google Home と Google Home mini のどちらを買うべきか
買おうか迷っている人から何度か聞かれたのが、大きいのと小さいののどちらがいいかという話。両者で機能的な違いはほぼないので、比較ポイントはスピーカーのみになる。mini のスピーカーだが、スマートスピーカーとしての音声応答などであれば問題のない品質と音量だと思うが、音楽を聴いて楽しむには不足を感じる。
Amazon Echo の場合は Echo Dot でも 3.5mm オーディオジャックと Bluetooth A2DP のどちらでも外部スピーカーに音声出力する機能を持っているので、Echo 自体の音質がどうであっても外部スピーカーでの音楽再生ができる。が、Google Home / Home mini には 3.5mm ジャックは無いし、Bluetooth の外部出力も対応していないようだ。Google さんの想定は「Chromecast を Home から操作することができるのでそれを使え」ということらしい。Google Home / mini も Bluetooth 自体は搭載されているので将来的にファムーウェア更新で対応する可能性はあるかもしれない。
というわけで冒頭の質問への回答だが、Google Home で音楽再生を考えるのであれば mini はあまり向かないので Google Home を買うか、もしくは別途 Chromecast を使う前提で mini ということになるのだろう。うちは今のところ音楽再生は Alexa 側だしテレビがChromecast内蔵かつHDMI Audio出力でスピーカー連携しているので mini で困ることはないのだが。