さてEDCといえばプライ(Pry)が欠かせない。プライとは写真のように先端が平べったくなっていてテコの原理で釘を抜いたりペイント缶の蓋を開けたりするもので、なぜこれが欠かせないのかと言われるとよく分からない。よく分からないが例によってEDC Forumではポケットサイズのプライツールの写真が山のように見つかる。まあ実際、何かに差し込んでこじ開けるツールというのは実生活でも意外と必要なシーンがあるものである。いやほんと。
フォーラムなどをさすらっていて評判が良かった TT PockeTTools の Chopper だが、しばらく売り切れになっていたのが先日ふと見たら在庫有りになっていたので慌てて1つ確保した。まあこれ $45 と決して安くはなかったのだが、手元に届いた現物を見て後悔はない。
TT PockeTTools LLC - Pocket and Keychain Tools: Pocket Tools
これは例によって(そう例によってだが)チタン製である。チタンは錆びず、丈夫であり、なにより同じ強度・大きさで作ると他の金属に比べてかなり軽い。鉄の同サイズと比べて半分強の重さで、見た目に反して持った感じはかなり軽い。そうした理由でチタン製品はポケットツールの材料によく使われるのだが、もちろんチタン製という響きが格好良いからという理由は外せない。
このツールは釘抜きやマイナスドライバーを兼ねるプライ、栓抜き、ボルトレンチが付いている。またプライの先端が切り欠き状に多少だが鋭利になっていて、いわゆるボックスオープナーとしてストレス無く使える。指を切ったりするような鋭さではないので持ち歩いて怪我をするような心配はない。
コンパクトなポケットツールサイズだが、真ん中辺りに付いている凹みのカーブがなかなかうまく指にフィットしてホールドしやすい。またツール自体にそこそこの厚みがあるので握って使うのにストレスが無い。ちょっとした差異なのだが、ポケットツールはこういう少しの差が日常の使い勝手を大きく決めるもので、これはその点で大変よく出来ている。
なお普通に売っているミニプライは1つがせいぜい $10 / 1000円前後のものなので、ついちょこちょこ増えてしまう。今の手持ちだと Chopper 以外はこんな感じだ。もっとあるかも。
写真は左から以下のとおり。プライは明らかに刃物ではないので、その辺が厳しい日本でも持ち歩きは大丈夫だろう。
- Leatherman - Brewzer (JP)
- Nite Ize DoohicKey Key Tool Keychain Multi-Tool (JP)
- Gerber Shard Keychain Tool (JP)
- True Utility TU200US 20 Tools in 1 Utility FIXR (JP)
どれも値段なりによく出来ているが、強いて選べば Leatherman の Brewzer だろうか。これは他に比べても小さくてフラットなデザインなのでキーチェインなどにつけても邪魔にならず、Leatherman 製だけあって作りも良い。その分他より少し高めだが。True Utility のものは他よりかなり大きいが、いろいろな機能を無理やり詰め込んでいる感が面白い。特に回転するドライバー部分とか。
なおこの業界(?)でプライといえば Atwood Knife and Tool の話題は外せないのだが、いかんせん、この Atwood というクラフトマンは数量限定にも程がある生産量であり、手に入れるには毎日ブログをチェックして欲しいアイテムが登場するのを待つしか無く、またそれも一番安いもので $70 くらいからと結構高価である。いつか手に入れてみたいものではあるが。