プライベートのバックアップ覚書き

Posted 6 days ago by yoosee.
  backup debian

現時点のバックアップまとめを備忘録として。

バックアップ概略図

基本のバックアップ

まず基本的に全てのメディアは自宅の Debian サーバに保存している。NAS用ではない普通のサーバで HDD は RAID1 、music や movie や photo といったフォルダを掘ってそこにファイルを入れている。サーバからは samba でのファイル共有と rygel での DLNA で自宅内での利用ができるようにしている。

起点が Debian server になるので、バックアップは Linux CLI でアクセスできるものが中心。また基本的には世代バックアップなどではなく、rsync が基本のフルコピーのみ。世代が必要なものは殆どがテキストなので、git で管理して github や bitbucket に入れている。

USB HDD (Seagate USB Storage)

サーバのHDDより大きい容量の外付け USB HDD を ext4 で利用。普段はオフラインでオフィスに置いておき、1ヶ月に一度程度の頻度で家に持ち帰って rsync で同期をかける。常時接続しておかないのはウィルスやランサムウェアの被害を回避するためと、家が水や火事などのトラブルになっても大丈夫なように。最悪の場合1ヶ月程度の空白があくが、他のオンラインバックアップがリアルタイムないし Daily なのでさほど問題にはならないはず。

Seagate の外付け USB HDD は信頼性はイマイチだが、容量比の価格が安いので定期的にチェックできるならバックアップ用途としては使いやすい。

Amazon Cloud Drive Unlimited Everything (以下ACD)

しばらく前までは S3 Glacier に限定的にバックアップを取っていたが、Amazon Cloud Drive Unlimited Everything を使い始めてからクラウド上の主たるバックアップは全てそこに置いている。年間 $59.99 で無制限になんでもファイルを置けるのはかなり破格だと思う。今のところパフォーマンスも問題ない。また Debian から FUSE mount して普通のファイルシステムとして扱えるのがすごぶる利便性がいい。

自炊書籍など著作権物を置くのはなんとなくリスクを感じるので、そうしたファイルは AES256 で暗号化して置いている。今のところ特に怒られたりはしていない。現在の利用容量は2.8TBで、一応100TBにQuotaがあるようだがそこまで使うことはまず無さそうだ。

写真と動画

写真と動画も基本は USB HDD と ACD へのバックアップ。サーバ上のファイルは懐かし(?)の sync-day-by-day で日付フォルダ管理にしている。スマホの写真は Dropbox 経由でほぼリアルタイムで自宅サーバにコピーされるので、そこからは同様に処理される。Dropbox は Linux CLI 用クライアントがあるのがありがたい。

Google Photos

追加バックアップと利便性を兼ねて、すべての写真は Google Photos にもアップロードしている。スマホからは Android の Photos App で自動アップロード、他のカメラで取ったものは一度自宅サーバに置いてから、Samba でフォルダ表示 → フォルダごと Chrome の Photos に Drag & Drop してアップロード、という形。以前は googlecl や picasa-upload なども使っていたが認証方法が変わったりなんだりで利用が安定せず、結局アナログな手作業になっている。

High Quality で保存すると 16M Pixels までの写真と最適化された動画などが無料・無制限で保存可能。Galaxy S7 edge が 12MP = 4032 x 3024 という解像度、iPhone 7 も 12MP なので、スマホの写真なら問題なくそのままの解像度で保存できるし、動画もHD程度なら特に問題ない。

1997年にデジカメを使い始めてからの全ての写真と動画をアップロードしているが、どの端末からでも全ての写真を見られるし、過去の写真を Remember this day などと表示してくれるのも悪くない。

なお自分が不慮の事故などで死んだ際にも家族の写真などはちゃんと残したいわけだが、自宅マシンの写真は samba でアクセス可能なのでしばらくはよしとして、Google は一定期間ログインがなかった場合に予め決めた相手にデータのダウンロード権を送るサービスを持っているので、それも一応設定している。

音楽

音楽は最近はすっかり Spotify や Amazon Unlimited Music などの購読型ばかり聴くようになってしまったが、一応は過去に買った CD や mp3 などがあるのでそれも聴いている。元々デジタルミュージックは殆どを amazon.com の non-DRM mp3 で買っていたこともあり、これらも ACD に突っ込んだ上で Amazon Music 経由で聴くことが多い。

スマートフォンとタブレット(Android)

最近の殆どのアプリはログイン後のデータがクラウドにあるのでバックアップの必要自体がそもそもない。
ローカルにのみデータがあるものは Helium - App Sync and Backup でバックアップを Google Drive に取っている。このアプリは root 不要な代わりに PC に繋いで adb 経由で権限を取得させるということをしている。余談になるが、最近この手の方法で root 相当権限を取得するアプリがそこそこあるわけだが、これを許すなら root (sudo) も公式にサポートして欲しい。

コードや設定ファイル

コードやサーバの設定ファイルは github ないし bitbucket にある。よい時代だ。プライベートの日記なんかもテキストなので git に入れて bitbucket に飛ばしている。

その他のクラウドストレージ

ラップトップからは Dropbox の他に Box.com と OneDrive を使っている。Box.com は WebDav が提供されているので Linux からも mount できるのが嬉しい。OneDrive は主に仕事用なのでプライベート系のバックアップとは繋いでいない。

 

なぜ日本のIT導入は失敗するのか

Posted about 1 month ago by yoosee.
  business it

楽をすることを罪悪とみなす国ではITの普及が難しい、と何処かで書いた事があるが、こうした話はそのよい例だろう。

実務層に起因する問題である。実務層が無能だから、ではない。逆だ。実務層が勤勉で真面目すぎるから、仕事のシステムが多少おかしくても、一所懸命にカバーして動かしてしまう。その結果、かえって問題が隠れて見えなくなってしまうのだ。
見えない非効率 ー 今、動いているんだからいいじゃないか : タイム・コンサルタントの日誌から

現場が優秀で真面目なため、前工程からくるものに問題があっても自分の工程で全力でフォローしてしまうので、結果としては問題が解消するものの、重複業務が増加するため稼働が増え、効率性とは無縁になる。他国の企業でもこうした問題は発生しうるが、基本的には現場がそこまで勤勉ではないので「前工程で問題があったので自分の仕事がうまく行かないのだ」で止まるため早々に顕在化し、全体の責任者が何かしらの改善を行うしかなくなる。なのでこうした問題は大きくなりにくい。

更にこれが厄介なのは、現場の人達というのはそうした「自分たちの努力」に誇りを持ってしまうものなのである。もちろんそれが悪いわけではないが、「システムを導入するのであなたのその工程は不要ですよ」と言っても「いやそれがないと安心して仕事ができないのだ」「お客様に迷惑がかかるのだ」「万が一のことがあったら責任を取れるのか」と否定にかかってしまう。自分の仕事に誇りを持っているがゆえに、自分の仕事を否定されることに拒否反応を示す。

この状況に、トップダウンが弱い日本型組織の構造が組み合わさると、IT改革というものが大体において頓挫する。なぜなら、こうした組織での IT 導入はまず「現場の人から現在の仕事に基づく要求条件をヒアリングする」ことからはじめるからだ。現在の仕事は既にある非効率性を包含しており、現場の人はそれを「業務に必須なもの」として要求条件とする。そしてそれを廃されることを自分のプライドにかけて否定する。結果、高いお金で導入したITシステムはそれまでの業務プロセスの再実装でしかないものになる。

海外でのIT導入は、そもそもIT導入が主眼ではない。あれは「業界で既に効果が確立した業務プロセスの導入」であり、ベストプラクティスと言われるものを組織に持ち込むための手段である。ITは単にそれを現場に強制するためのツールにすぎない。もちろんトップダウンでの導入が現場の抵抗を生むことは多いし、導入自体に失敗することもあるが、そうした失敗を含めてプロセス自体を見直す機会があるからこそ、ITをうまく導入した企業の業務プロセスには効率性と健全さがもたらされる。

日本企業でそうしたIT導入をするには、以前記事を書いたようにIT導入による業務効率化に確信を持って取り組むことができ、かつ現場のプライドを理解し、丁寧に説得し、あるべき業務プロセスに持っていくという超人的な人材が必要になるわけだが、そもそもIT導入の成功体験を得られる機会が少ないことが、そうした人材を育成する機会自体を少なくさせている。なかなかに困難な道である。

 

Fisher Space Bullet Pen

Posted about 1 month ago by yoosee.
  stationery edc

Fisher の Space ペンといえばNASAが宇宙で使ったという文脈で有名なペンだ。いわゆる「一方、ソ連は鉛筆を使った」ネタでも有名だけど、無重力でもペンを上向きに使ってもインクがかすれたりせずに書けるよう、ペンカートリッジに内圧がかかっている。Space Bullet Pen はそんな Space ペンのカートリッジを使い、持ち歩きに便利な手のひらサイズのデザインにしたペンだ。

Space Bullet Pen

スペースペンは何と言ってもEDCの世界では大定番だ。

米国にはとっさの際に戦うために使う Tactical Self-defense Pen という謎なカテゴリがあるのだが、重厚な金属のペンを金属削り出しのハンドクラフトで作っている人達がいる。そうしたペンは基本屋外に持ち歩くことを前提にするので、ペン芯に Space pen のカートリッジがよく使われる。

書き心地も Jetstream などのジェルインクには及ばないものの油性としては悪くない。ペン先が乾いて書けなくなることがまず無く、どんな向きでも紙が多少濡れていても問題なく書けるのは大変安心感がある。持ち歩いているペンが「書けなくなってないかな」などと心配しなくていいのはストレスを感じないという点で重要だし、便利だ。

このペンは Bullet と言ってもそんな戦闘用ペンではない。キャップを閉めると10cm弱と手のひらにもポケットにも軽く収まるサイズでありつつ、キャップをお尻に付ければ十分な長さで書く際に不自由を感じることもない。EDCではこれまた定番な、雨の屋外でも書けるノート FIELD NOTE (Amazon JP) と併せて使うことで、どんなところでもノートを取ることが出来るのである。いやうん、雨の日に外でノートを付けないといけない用事というのはそれなりに長いこと生きていてほとんど記憶に無いんだけれども。

Fileld Note

Space Bullet Pen は色々とバリエーションがあって、色の違いや塗装の違いもそうだし、弾丸型やスペースシャトルがついたものなどもある。写真にあるチタニウム塗装の Rainbow Titanium Nitride (400RB) もそうしたもののひとつ。値段も $20-40 くらいと、金属軸のペンとしてはそこまで高価でもない。

これもよく持ち歩いているのは写真にもあるスタイラスがついたモデル (BG1CL/S)で、スマホの操作にも使いつつ必要なときはペンとして書けるこれは結構気に入っている。残念なのはスタイラス部分が旧来のゴム製なところで、タップは問題ないのだがスワイプをすると画面に引っかかる。滑りのよい伝導マイクロファイバー製が出たら是非とも欲しいと思って要望を送ってみているが、今のところ販売されていない。

日本でも売っていて、値段が 3,000円くらいからとちょっと高いのだが、持ち歩きに便利なペンとしてひとつオススメしたい。

 

Amazon Echo Dot を買ったら Alexa が評判以上に素晴らしく快適だったこと

Posted 2 months ago by yoosee.
  amazon alexa review

Amazon が本気である。音声アシスタント Alexa 用のマイク・スピーカーデバイス Echo Dot (2nd edition) が10月20日に販売されたが、本体価格 $49.99 と $89.99 だった 1st gen の Echo Dot から定価を4割以上落としつつCPUなどのスペックは上げている。$50 を切る価格は完全に普及を狙ったもので、スマホで遅れを取った Amazon が自宅での音声アシスタントデバイスで真っ向から Apple と Google に戦いを挑んできている。

Amazon Echo Dot (2nd)

Amazon Echo 、またそこから起動される音声アシスタントの Alexa は以前から評判がいいが、実際試すと想像以上に使い勝手がいい。私の英語は Google Now さんにしばしば Huh? とか聞き返されて恐縮するレベルだが、Alexa の応答率は感覚的に 9割を超えてほとんどストレスがない。また割とフリーワードのオーダーに意図通りに反応してくれる。

Alexa と音楽再生

普段は音楽再生に使うことが多い。Echo Dot は単体でもスピーカー付きだが、Bluetooth や有線で外部スピーカーとも繋げられる。Amazon Music Unlimited の Echo 向けプランが $3.99 / mon と安いのでまんまと契約してみたが、「Alexa, Play xxx」と話しかけるだけで音楽再生できるのは想像を遥かに超えて便利。内容も「曲のタイトル」「アーティスト名」「予め設定したプレイリスト」などで再生できるし、ざっくりとしたジャンル、例えば Christmas Song だの Pops in Hit Chart だのを伝えると適当な Music Station を再生してくれる。再生中の歌に「Alexa, what’s the song?」と言えば曲名を伝えてくれるし、スマホの Alexa アプリに履歴も残るので後から参照も出来る。

リビングにおいてあって家族は誰でも起動できるので、子供もよく映画のサウンドトラックや学校で聞いてきた曲などをかけている。最近のお気に入りは All about That BassI love it のようだ。あと Roar を聴いて I am a Tiger! とよく叫んでる.. とは言え下の4歳児はなんど頑張っても「あれくしゃ!」としか言えず、反応してくれなくて憮然としていることが多く不憫であった。

音楽以外の使いみち

音楽再生以外だとニュースダイジェストを聞いたり NBA や NFL のスコアを教えてもらったり(今年はHEATが負け続けで辛い…)、天気予報を聞いたりという使いみちもあるし、上の子は丁度学校でスペルを学んでいるので「Alexa, how to spell XXX」とスペルを教えてもらうのに重宝している。ちょっとした調べ物なら「Alexa, wikipedia XXX」と Wikipedia のサマリーを聞いたりもできる。これもなかなか便利である。またTodoにリマインダを入れたり「Alexa, set timer for 3 minutes」とタイマーをかけたりといった用途にも使える。単位系の変換なども気軽にできるし、特にスマホの操作をしにくい料理中などは呼びかけでいいのは便利だ。

なお子供らは「Alexa, tell me a joke」とジョークを言わせて笑っているが、正直なにが面白いのかよく分からない事が多い…

IFTTT 連携

米国の Alexa は IFTTT 連携も出来るのだが、個人的に残念なことにIFTTT側からトリガーを引けないので、何かのイベントでAlexaに喋らせるというのは現状出来ない。あくまで Alexa 側からトリガーを引かないといけない。これができるとまた使いみちが広がるのだが。今やっているIFTTT連携はせいぜい持っているWemoスイッチで寝室の電灯を付けるのと、スマホが見当たらないときに鳴らすくらいか。まあその程度でも呼びかけ一発で起動できるのは便利なのである。

ここまで便利だとテレビ操作などもAlexaからやりたくなるが、Harmonyを使えば出来そうなのでちょっと心が動いている。そのうち試すかもしれない。

なんにせよ全般的に、自宅リビングであれば常時待受状態で、割と適当なフレーズでも認識して反応してくれるのは、いわゆるゼロクリックデバイスとして素晴らしい。もちろんスマホでも似たような機能はあるが、Alexaは固定スピーカーというデバイスの特徴をうまく使っているし、また個人的には英語の認識が一番ストレスがない。端的には大変快適である。


ところで Echo Dot への呼びかけ標準の Alexa 以外にも Echo Amazon を Wake Word に指定できるのだが、これ Google Now でも同じことを思ったんだけど是非 Computer で呼び出しできるようになって欲しい。ぜひ

Computer, Initiate self-destruct sequence!

とオーダーしてみたいのであった。

 

引退して1年経つ今頃だが Ingress の思い出を書き留める

Posted 3 months ago by yoosee.
  ingress

Ingress を 2015年11月に引退してもうすぐ1年が経とうとしているので、忘れないうちに自分の思い出として書き留めておく。基本的に自分語りでまとまりもないが、5年後10年後くらいに自分で読み返すつもりの文章である。実際いま思い返して書いている時点で楽しかったなあという感慨がある。

ベータ版参加と本格開始から引退まで

イングレスに参加したのはベータ時代の2013年12月のこと。とは言え周囲20km内にポータル数個しかない状況で、最寄りのポータルすら1 km以上先、なにをしたらいいのかも分からず、結局数週間も遊ばずにアンインストールした。今思えば Guardian や Seer が取り放題だったわけだし、せめて Lv. 4 まで上げていれば Innovator が取れていたと再開後に後悔したのは言うまでもない。

その後 2014年8月に iPhone 版がリリースされるのにあわせてSNSなどでプレイヤーが目につきだし、そう言えば以前やっていたなと再インストールしたのが本格的な開始になる。2015年8月にLv.16到達。再開からほぼ丁度1年間で、米国地方都市のエージェントとしては頑張ったほうじゃなかろうか。まあ途中で増えたメダルがなければあと2ヶ月はかかっていただろう。

LV16 引退時のAgent Profile Cell #1

Lv.16 到達後も地元のエージェントと一緒にそこそこ活発に活動していたが、数ヶ月後の 11月に GPS 偽造エージェントから 149 days の Guardian を不正に崩されてやる気を失い引退。ローカルセルでのトップエージェントも取ったし Anomaly も参加したりと、プレイしていた1年強の間はかなりの情熱を注いでいたのは間違いない。

Ingress の楽しみ

イングレスにはレベル上げやMU稼ぎと言ったゲーム内の目的以外にも色々な楽しみ方がある。ポケモンGOと較べてもゲーム内でやれることはかなり多く、プレイヤーが色々な目的を持てる上に、そこから派生したゲーム外の楽しみ方が多数あるのが、恐らくポケモンGOに比べてイングレスがとっつきにくいところでもあり、ハマると面白いところでもあった。

新しい場所への探索

UPV, Unique Portal Visited という新規ポータル訪問数を稼ぐゲーム内目的に沿うものだが、そのうちに新しい場所に行くこと自体が楽しくなるのがイングレスのいいところ。住んでいた辺りには Natural Area という散歩道付き自然保護区が散在しており、散歩道の途中にたいてい休憩用のパビリオンや動物の標識などがポータルになっていて、うまい具合に歩いて回れるところが多い。

Green Cay Natural Area Red Reef Park

Ingress を始める前はそんな場所があることすら知らなかったが、Intel Map で見つけて UPV 稼ぎにあちこち回った。こうした場所は車で直接アクセスできないので防御が薄い場所が多く、ぐるりと回ってUPVとUPCを稼ぎつつ多重ポータルを作ってAPとMUを稼ぐというプレイができるので好んで訪れていた。南フロリダは湿地帯なので、湿地の池の上に木の橋を渡して散歩道にしている感じの Natural Area が多く、鳥や小動物も見かけられて散策自体が楽しい。また海の近くの公園にもプレイ中にポータルが生えてきて(うち幾つかは自分の申請だが)、ここも散歩がてら多重ポータル張りに回ったりしていた。

Art Studio Portals

特にお世話になったのは生活圏内からさほど遠くないところにあるアートスタジオで、プレイ後しばらくしてからのことだが駐車場にあるアートのオブジェが狭い範囲に多数ポータルになっていた。ここは徒歩一周10分くらいの範囲で 15Portals / 37Links / 33CFs の多重を 30分強で張れるこの辺りとしてはまたとない恵まれた場所で、何度も通ってAP稼ぎをした。

なおフロリダでのイングレスプレイ最大の敵は太陽である。夏には気温40℃、紫外線強度10+を誇り、ドクターが日焼け止め無しでの直射日光を15分以上浴びることを避けるよう通達を出すくらいの土地である。湿度も常時80%を超え夏のイングレスはまさしく地獄。ただその分、冬でも20℃を割らない地域でもあるので1年中楽しむという点ではメリットでもあった。

Seer 稼ぎの新規ポータル登録

当時でも既に新規ポータルは申請から最短180日以上かかると言われていたが、それでもまだ登録は可能だったので Seer 目当てに結構な数を申請した。街を歩くときに Map を見ながら「このポータル空白地になにか登録できそうなものはないか」と丹念に眺めながら歩くのは意外と楽しく、何度も行ったことがあるダウンタウンの思わぬところに鷹の彫像や面白い街灯やリバティーベルを見つけたり、友達の住んでいるアパートメントの避雷針に魚や鳥の彫像がくっついているのを見つけたりと「あらこんなところに」感覚を味わうのは Ingress での面白さの中でも格別のものだ。結構大きな噴水ですら意識していないと気づかないものである。

Frying Fish Pineapple Lamp Southern Bird

新しいポータルに申請できそうなところを探しながら行ったことがないところを散策するのはUPV稼ぎと並んでイングレスの大きな楽しみだったし、旅行や出張などで新しい街に行った際には必ず数カ所は Portal 申請をして帰っていた。全てが申請を通ったわけではないがカリフォルニアやユタ、テキサス、ワシントンDCあたりにポータルを生やしたし、ディズニーワールドやカリブ海離島の観光地にも幾つか生やすことが出来て、自分の名前がそこに残っていると思うと嬉しい。

最終的には100程度生えて採用率は40%程度。度が行き過ぎて、車で運転中に「あれこんなところに空を眺めるオッサンの彫像なんてあったかな。Portal としては登録されてないしあわよくば…」と思ってよく見てみると電柱作業を下から支持している生のオッサンだったりとか、しょうもない体験もしたりしている。

ミッション作成が開放されてからは自分でも4つほどミッションを作った。今見てみるとそこそこの人数にプレイしてもらえたようだ。旅行先でもお土産ポータルキーと併せて2,3個のミッションをこなすようになったのも覚えている。

コミュニティと友達とアノマリー

地方のイングレスエージェント人口は少ない。アクティブにプレイしているエージェントは多いときでも 20km四方で ENL/RES ともに2,3人程度だったと思う。1年間ほぼ毎日のようにプレイしていて現地で偶然エージェントに出会ったのは20回は超えないだろう。とは言え Hangout や GroupMe や Slack には地域チャットチャネルが出来ていて、私もそれに参加していた。

ちょうど Shonin Anomaly が Orlando であったので車で3時間かけて参加したりもした。知らない人同士でも数時間も一緒に戦うと仲良くなるもので、Anomaly は大変面白かった。ENLが勝ったし。地元で First Saturday を開催したこともあり、多少お手伝いさせてもらったし、Flash Farm + Beer みたいな突発イベントもたまにだが参加した。年齢層的には 30-40代くらいが中心だったと思う。ローカルで仲良かったのは結構なオッサン集団だったけど、イベントだと女性も 3,4割くらいはいたんじゃないだろうか。なかには子連れで来ている人もいて、FS でレベル上げを手伝ったりもした。

Ingress Shonin

なお私は活動地域ではそれなりに名が売れてしまっていたようで、Agent 名を見せると「ああお前が yoosee か!」とか言われることが多かった。別にそれで問題になったことはないが、最後の Guardian 崩しはその辺が原因だった雰囲気ではある。とは言え自ファクションよりも対抗ファクションの活発な Agent がいないとゲームが成り立たないので、引退時に惜しんでくれたのは RES の人も多かった。

Swag

Ingress は今でこそ Anomaly 公式販売などがあるが2015年末位までは公式物販が殆ど無くて、その分わりと皆が好き勝手に Swag (グッズ) を作っていた。たいして高いものでもないので、ingress - EtsyIngress Swag Addicts - Google+ を眺めて物欲をそそられては幾つか注文したりしていた。なかでもやはりエージェント名・セル名入りのバッジは有志の作成に乗って作ったのだが届いたときは嬉しかったものである。

Ingress Swags

ピンズは1つ1つが数ドル程度と安いのでそこそこ買っていた。Enlightened ファクションのものや A16 到達、Niantic の限定ピンズも買ったし、FS の際に買ったやつもある。Anomaly のものは Persepolis まで。なおハート型のやつは Ingress ではなく Tumblr のもの。

Ingress Swags Ingress Swag Pins


米国地方都市でのイングレスの難易度と楽しみ方

田舎の Ingress プレイのなにが難しいかといえば、なんといっても Level 8 Portal の希少さだ。活発なエージェントが少ない土地では同じファクションが 8人集まるなどはそうそう無く、ポータルのレベルは高くて Lv. 6 程度まで。いきおい X8 や R8 が入手しにくくなるので、なおさら P8 ができにくい。

Portal 自体はプレイ時期にも新しいのが生えてきてくれたのでそこそこあったのは幸いだった。もちろん東京ほど「どこにいってもある」わけでは全くなく、アートスクールや美術館周辺、ダウンタウンのストリートアート、公園や Natural Area など10から20程度のポータルが集中した場所を車で回ってプレイするのが地方の一般的なスタイルだ。知り合いのエージェントには毎日自転車で何十キロも回っていた剛の者もいたようだが。

またこれくらいの田舎だと 20km 圏内で活発に活動しているエージェントは自分とRESの某AGの2人だけなんて状況もままあって、示し合わせて協力プレイをするまでもなく、暗黙のうちにシールドを入れずに多重ポータルを組むと入れ替わりに相手が破壊と構築をするのを繰り返す、なんてプレイもある。むしろそうしたエージェントが活動してくれないと、Portal 15 箇所で組んだシールド無しの多重CFが72時間手付かずで放置されるなど、これ以上なにもできない状態になるのが一番辛い。最悪自分でポータル反転させたこともある。

なおプレイ期間中に東京出張したときはあまりのポータルの多さと変化の早さに大変驚愕した。米国の大都市幾つかでもプレイしたがそれに比べてもあれ、本当に東京は別のゲームだと思う。

大きなCF張り

逆に田舎故に可能なプレイのひとつはソロでの大CF張りだろう。陸上でも 1辺 10 km程度のCFならば張るのはさほど困難ではない。しかし当然ながらこのためにはブロックしている link を切断しつつ車でぐるぐると、トータル 100 km 以上のドライブという地球に優しくないガソリンの使い方をするわけで、しかもあちこちで止まったりなんだりすると燃費もよろしく無く、かつ場所によっては駐車して作業するために数ドルの駐車場代を払うなどもしていて、クラスタ1位を取った週のガソリン消費量は平均のほぼ4倍を超えるなど結構な財政負担を強いた。Ingress は無課金だったけどガソリンと駐車場には結構投資したと思う…

CF張り

ソロプレイでのCF張りも楽しいのだが、ローカルAGと協力してのCF張りというのもやった。とは言え個人でも出来るくらいの話なので協力プレイと言っても気軽なもので、「今日の午後中にここからここへリンク張れる人いない?」「1時間以内くらいにこのリンクを切ってくれる人募集」だのとローカルのGroupMeで相談しながら割と非同期に作業してもそこそこ大きなCFが張れる。最大だと一辺 50kmくらいのものは張れた記憶がある。悲しいのは人口密度の都合でどれだけ大きなCFを作ってもたかが知れたMUしか稼げないことだったが。フロリダ半島の南端を囲む一辺 200km 超の大規模CFにも一度参加したが、間のリンクを切る程度の手伝いだったので個人的な達成感はほどほど。

Guardian

最終的にプレイを辞めるきっかけになった Guardian だが、アクセスの悪いところにあるポータルを狙って道なき道の奥へと進むのもこれがなかなかに楽しい。

入場有料な日本庭園の更に最奥にあるトレイルを30分も歩いた終点付近にあるポータル、位置情報が間違って登録されたのか公園の周りのカナル縁の作業道(立入禁止ではない)の端にあったポータル、ボートで行かないとたどり着けないカナル内の離島公園のそのまた端にあるポータル、Intel Map で行きづらそうな場所を見つけてはトライしたものである。

1時間かけて確保したポータルをその2時間後には知っているエージェントに壊されたりして、いやお前どこで見てたんだよとCommで突っ込んだりと、必ずしも悪い関係ばかりでもなかった。もちろん翌日には再度確保に行ったのだが。

実際90日を超えるのは簡単だったのだけど、なぜか 120日を超えたあたりから執拗に攻撃を受けるようになり、140日くらいで何度か潰えた。どうもローカルではそこそこ目立つエージェント名だったこともあり、RESの知人に聞くとローカルチャットで名指しでポータル潰しをされたりしていたようである。なんだかなあ。

Guardian Diffence

最終的には GPS 位置偽装を使ったあからさまな Spoofing Account (なんせこいつ Verified ですらないのに百キロのLinkを張っていたりした)から 149 days の離島ポータルを潰され、Niantic が全く対応をしなかったこともあってゲームの不公平さに馬鹿馬鹿しくなり引退したのであった。流石にいつでも不正手段でゲームをひっくり返されると分かっていたら楽しむも何もない。

Ingress 引退後

そんなわけで約1年と数ヶ月の熱狂の後に引退したわけだけど、引退を決めたときの残念さと喪失感と開放感はあれはあれでなんとも言い難いものだった。端的には「時間ってこんなにあったのか」なのだけど、本気の時期は昼休みにエナジーバーをかじって1時間まるまる活動していたりしたのでさもありなん。ただ Sojourner を止めたときは「これで週末に無理して Portal Hack のためだけに出掛けなくて済む」という開放感が大きくて、あれはやめて正解だったと思う。

といいつつ今はポケGOをやっているのだから因果から逃れられたわけではなさそうなのだけど、イングレス時代に比べたらぬるプレイもいいところなので、やはり情熱のかかり方が違うなとは思うのだった。