Fisher の Space ペンといえばNASAが宇宙で使ったという文脈で有名なペンだ。いわゆる「一方、ソ連は鉛筆を使った」ネタでも有名だけど、無重力でもペンを上向きに使ってもインクがかすれたりせずに書けるよう、ペンカートリッジに内圧がかかっている。Space Bullet Pen はそんな Space ペンのカートリッジを使い、持ち歩きに便利な手のひらサイズのデザインにしたペンだ。
スペースペンは何と言ってもEDCの世界では大定番だ。
米国にはとっさの際に戦うために使う Tactical Self-defense Pen という謎なカテゴリがあるのだが、重厚な金属のペンを金属削り出しのハンドクラフトで作っている人達がいる。そうしたペンは基本屋外に持ち歩くことを前提にするので、ペン芯に Space pen のカートリッジがよく使われる。
書き心地も Jetstream などのジェルインクには及ばないものの油性としては悪くない。ペン先が乾いて書けなくなることがまず無く、どんな向きでも紙が多少濡れていても問題なく書けるのは大変安心感がある。持ち歩いているペンが「書けなくなってないかな」などと心配しなくていいのはストレスを感じないという点で重要だし、便利だ。
このペンは Bullet と言ってもそんな戦闘用ペンではない。キャップを閉めると10cm弱と手のひらにもポケットにも軽く収まるサイズでありつつ、キャップをお尻に付ければ十分な長さで書く際に不自由を感じることもない。EDCではこれまた定番な、雨の屋外でも書けるノート FIELD NOTE (Amazon JP) と併せて使うことで、どんなところでもノートを取ることが出来るのである。いやうん、雨の日に外でノートを付けないといけない用事というのはそれなりに長いこと生きていてほとんど記憶に無いんだけれども。
Space Bullet Pen は色々とバリエーションがあって、色の違いや塗装の違いもそうだし、弾丸型やスペースシャトルがついたものなどもある。写真にあるチタニウム塗装の Rainbow Titanium Nitride (400RB) もそうしたもののひとつ。値段も $20-40 くらいと、金属軸のペンとしてはそこまで高価でもない。
これもよく持ち歩いているのは写真にもあるスタイラスがついたモデル (BG1CL/S)で、スマホの操作にも使いつつ必要なときはペンとして書けるこれは結構気に入っている。残念なのはスタイラス部分が旧来のゴム製なところで、タップは問題ないのだがスワイプをすると画面に引っかかる。滑りのよい伝導マイクロファイバー製が出たら是非とも欲しいと思って要望を送ってみているが、今のところ販売されていない。
日本でも売っていて、値段が 3,000円くらいからとちょっと高いのだが、持ち歩きに便利なペンとしてひとつオススメしたい。