素のAndroidが使える e-ink 端末はやはり素晴らしい
とかく世の中では e-ink 書籍リーダーといえばもうほぼ Kindle のことであり、最近も世間の一部は高級機である Kindle Oasis や Voyage の話題で盛り上がっているようだ。私はといえば Android端末化したNook Simple Touch を相変わらず使っていたのだが、Nook は Android 2.1 という化石のような古いOSであることもあり、そろそろ買い替えが必要かと見つけたのが BOYUE T62+ という中華製 Android 4.2 e-ink 端末である。
端末は ebay にて $122.89 + Free Shipping で買ったのだが、中国から約2週間程で届いた。付随アプリも中国語や中国のマーケット対応のものが主だが、設定の言語選択には日本語もあり、また Root Boyue T61 + T62 の通り Root 取得して Google Play Store を入れればごく普通の Android 端末として好きなアプリを使うことが出来る。まあこちらでは基本的にはそうして使うのが前提だろう。一応 Nook 用に使っていた主利用とは別の Google Account で使っている。
ハードウェアと使い勝手
ハードウェアとしての質感には安っぽさなどはなくしっかりとした作りだ。左右ベゼルに順逆方向ページ送りのハードウェアボタンが付いており、その右ベゼル上には「戻る」ボタン、左ベゼル上には「表示更新」兼バックライト点灯(長押し)のボタンが付いている。電源ボタンは右下。本を読むのに集中するためにタスクバーを非表示にするとホームへの動線がなくなるのが難点ではあるが、full!screen などで対応できる。本体ストレージはシステム含め 8GB と小さめだが、microSD が使えるので自炊書籍を入れておくには全く困らないのも素晴らしい。
使い勝手的には Nook Simple Touch の上位互換だ。T62+の方が多少重いのと、本体背面の凹凸がないので指を多少引っ掛けにくいが、マットな表面とフラットな重心バランスで、片手で持ってベゼルのページ送りボタンを押しつつ読むという使い方に問題はない。ハードウェアボタンのクリック具合も悪くないし、3年以上も前のNookと比べればCPUや e-ink ディスプレイも良くなっていて、ページ送りの速度も十分に早く、ほとんどストレスを感じない。e-ink のディスプレイも店頭で見る Kindle Paperwhite (2015) と比べて解像度こそ低めなものの、さほど見劣りはしない。バックライトもベゼル際の数カ所を除いてほぼ均等に照射され、暗い場所での読書もさほど問題は感じない。
唯一、バッテリーの消費は心持ち早い気がするので、手動で Wi-Fi や Sync を OFF にするなどの運用をした方がいいかもしれない。とは言え本を読むだけであれば数日は問題なく使える。
ソフトウェア、ないしAndroidアプリがそのまま使えるということ
読書端末にさほどのアプリは必要が無いので、入れたのは以下の程度。当然ながら Android 用の Kindle App も入れて使うことが出来る。また Root を取っているのでフォントなども好みに応じて変更ができる。
- Amazon Kindle
- 読書家 (青空文庫形式ファイルリーダー) : 青空文庫などテキストファイル縦書き表示用
- Perfect Viewer と PDF Plugin : 自炊画像書籍
- Cool Reader : epub, mobi, text ファイル等の電子書籍
- X-plore File Manager : Sambaやクラウドストレージとのファイルのやり取り
Kindle App を含む多くのリーダー系では Volume Button でのページ送りができるので、BOYUE の設定からページボタンを Volume Up/Down としても使う設定をしておくとこれらのアプリでもハードウェアボタンでのページ送りができるようになる。たまにアプリの起動にすごく時間がかかることがあるが、RAMが小さい影響だろうか。アプリが立ち上がってしまえばほぼ問題はない。また e-ink なのでスワイプやフリックへの追従が遅いとかグレースケールでの設定画面の文字が読みにくい場合があるなど不便な点はあるが、まあ我慢はできる。
そんなわけで例によって普通のAndroidが動く e-ink リーダーを手に入れて使っているが、使いやすいビューワで読書ができるしファイル転送も端末からLANやクラウドストレージを経由して簡単にできるのが便利。値段もさほど高くないし、自炊が中心の人で自分で Root 取得できる人であれば十分お勧めできる。少なくとも私はこれで当分は満足して読書できそうである。
スペック
- 160 x 123 x 8.5 mm, 224 g
- 6インチ e-ink ディスプレイ 1024x758 (213 dpi), グレースケール 16階調, バックライト
- A9 Dual Core 1.0GHz CPU, 512MB RAM
- 8GB internal storage (5GB程度の空き容量) + microSD slot (up to 32GB)
- Wi-Fi 802.11b/g, microUSB, イヤホンミニプラグ
- Android 4.2.2 (2016-06 現在の Firmware )