ここ最近のスマホ業界を眺めるに、USB Type-C だの Lightning だの「ケーブルの上下を気にしなくていい」などといつの時代なのだとツッコみたくなる事で盛り上がっていて見るに耐えない。むしろ嘆かわしい。21世紀を生きる現代人たるもの、ケーブルなどという過去の遺物にとらわれず、スマホはケーブルレスで使うべきである。
さてそう言われても諸兄らは困惑するかもしれない。ここに簡単ではあるがスマホをケーブルから解き放つ幾つかのステップを記載したい。
クラウドにデータがあるアプリを使う
賢明な皆さんであれば既に大抵のアプリはクラウド連携していることだろう。例えば写真のバックアップなら Google Photos でも Dropbox でも Amazon Cloud でも Facebook でも選び放題である。音楽もストリーミングサービスを使うなりクラウドにmp3を置くなりできる。クラウドにデータが保存されていればスマホのデータなどいつ消えても問題がないという安心もついてくる。ケーブルを繋いでローカルのPCと同期を行うなどの原始的行為はPalmOS時代の終焉と共に卒業すべきであろう。ぴろりーん。
PCとのファイルのやり取りをWi-Fi経由でする
それでもPCとファイルをやり取りしたい事情はまだあるかもしれない。例えば自炊した書籍のファイルを転送したい時などだが、わざわざそのためにケーブルを繋ぐ必要はない。NAS経由やPC側にLAN共有フォルダを作って X-plore File Manager のようなLANフォルダ対応のファイルブラウザで転送するもよし、AirDroid のようなアプリでスマホをブラウザから操作可能にしてもいい(X-plore にも同等の機能がある)。
Bluetooth ヘッドホンで音楽を聴く
次に消滅させるべきはヘッドホンケーブルであり、収納して取り出すとエントロピーの法則により必ず数カ所で絡まって人の神経を逆なでするケーブルは全ての人類の敵であり無くなるだけでも貴方の Quality of Life は 30ポイント以上改善する。最近はBluetoothヘッドホンの音質もだいぶマシになってきたし、また逆に音質にこだわらなければ2000円前後で手に入る。Taskerを使えば接続したBluetooth機器によって違う自動アクションを設定するなど、更に便利さを増すこともできる。惜しむべくはスマホをケーブルレスにしているのにBluetoothヘッドホンの充電にはケーブルを使わないといけない場合が多いことであろうか。
Qi でワイヤレス充電する
最後に残る最大の関門が充電であろう。こればかりはスマホ側がワイヤレス充電に対応している必要がある。ここは一般的な規格として Qi (チー) 対応スマホを選ぼう。悲しいことに新しい Nexus までもワイヤレス充電非対応になってしまったが、まだ Motorola や Samsung が最新機種でも Qi 対応端末を出している。また場合によっては Qi を外付できるケースの導入を検討しよう。幸い Qi 充電器は最近どんどん安くなっていて、充電台のみだと $10-20 程度で手に入るし、車載マウントにQiがついたモデルもある。スマホをホルダに置くだけで充電が始まる車載Qiは文明開化の音がする。
特に防水端末を使う場合は充電端子にカバーキャップが付いていることがあり、充電のたびにカバーを外して電源を差し込むなど現代人とはとても思えない野蛮な作業を強要される屈辱を味わう羽目になるのでワイヤレス充電は必須である。唯一の欠点は Qi は通常の充電と比べて充電速度が遅い(端末にもよるが手元の計測で 640mA/h)ことだが、充電ホルダをオフィスや自宅数カ所に置いておき、使わない時はポンとその上に載せる習慣にしてしまえばこまめに充電されるのでさほどは気にならなくなる。どうしても困ったら、まあポリシーを曲げてケーブルを繋げばいいのである。
このように幾つかの簡単なステップだけで貴方のスマートフォンもケーブルレスで運用できる。21世紀を生きる現代人として、ぜひケーブルにとらわれないスマートライフを目指していただきたい。