Pokémon GO についてアメリカでサービス開始早々から数日プレイした感想

Posted almost 8 years ago by yoosee.
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Pokémon GO が先行リリースされた米国にいるのでレビューないし雑多な感想を書いておく。ご存知の通り米国では結構なニュースになっていて、確かにそこそこ田舎であるこの周りですら普通に歩いていてプレイヤーを散見するレベルに多い。私個人はというと7月7日に開始して現在レベル10。今のところは非課金。周りのGymなどでのプレイヤーレベルを見てもそこそこアクティブな方だと思う。

Pokémon GOプレイ中。名前は秘密でもないけど一応消しておく。


ゲームのシステム

ゲームのシステムは既にあちこちで解説されているだろうから詳しくは書かないが、基本的には現実の地図と居場所をベースに野生のポケモンを探してゲットし、同時に集まる強化アイテムで強化&進化させ、対抗組織の Gym を道場破りして自分の組織で専有する、というゲーム。実際いまの時点で出来ることは Ingress に比べてもかなり少なく単純で、このまま機能追加がないと特に課金している人は飽きるのが早そうだ。どこかのタイミングで Ingress の Anomaly のように、ポケモン大会やグループでのボス討伐などのイベントは組まれるのかもしれない。

ソーシャル面

Pokémon GO をプレイするだけであればソロプレイも特に問題はない。Ingress に比べてもアプリ内のソーシャル機能はほぼ無いに等しい。内部チャットなどもなければ Gym での協力プレイなども特別コミュニケーションをとる必要もない。ソロで淡々と図鑑を埋めるプレイも特になんの問題もなく出来る。

とは言え真剣にやるならばリアルでのソーシャル活動が恐らく必要になる。Gym の防衛は1人ではほぼ突破されるので最低でも4人は欲しいし、下記しているように Lure を使った狩りも複数人でやった方が効率が良い。実際周りを見ても GroupMe や Slack などで地域ローカルのチャットルームが出始めているし、オフィスでも未プレイ者を自陣営に勧誘する人がいて「部下に強制するなよ? パワハラになるぞ?」なんていう半分冗談の警句が流れていたりもする(このゲームは Lv.5 で赤青黄色の陣営に参加する)。

メートル・キログラム表記について

ご存知だと思うが米国は世界でも今ではほぼ唯一のヤード・ポンド法を公式利用している国である。そんな中で Pokémon GO は km, kg 表記を使っており、よくあるアプリのように単位系の変更設定もない。こんな表記は設定ひとつで解決する問題なので、あえて km のみというのは意図的なものだろう。お陰でアメリカ人は特に「歩く距離で卵が孵る」機能のために km と miles の変換をしているらしい。まあ別に変換しなくても歩いていれば数字がたまるのでなんの問題もないのだが。

なお米国のポケモンアニメやゲームは feet や lb 表記が基本で cm や km はせいぜい併記といったところである。一方で Ingress は km 表記のみ、かつ過去に「Ingress は米国でも km を流行らせるためにあえて km 表記のみにしている」というコメントを見たことがあるので(ソースが見つからないので定かではないのだが)、これは Niantic 側の意向ということなのだろう。ちなみに米国の SF の中には「未来や異世界っぽさを出すためにあえてマイルではなくkm系を使っている」なんてのもあったので、もしかしたらそういう意図もあったのかもしれない。

課金

基本的には消費アイテムに対して課金がある。多分もっとも重要なのは Lure Module と呼ばれる、Pokestop に導入することで30分間ポケモンが生まれやすくなるアイテム。これの恩恵は使用者だけではなく回りにいる誰でも受けられ、Lureが挿されると桜の花吹雪のようなエフェクトが表示される。値段はまとめ買いすると安くなるので一定ではないが、大体1個50-80セントくらいだろうか。

これをオフィスからアクセスできる、場所によっては複数のPokestopに入れてひたすらポケモンを狩る、というのが近辺でよく見られる。特に夕食時のレストランにあるPokestopはかなり高い確率でLureが挿されている。協力する友人数人でやれば、例えば4人いれば2時間維持して1個分の値段なのでそう高いものではないが、大勢が使えば当然ながら総課金額は大きくなる。ニュースによれば開始4日間での売上は既に14億円に達するらしい。

この調子で流行り続けたら、Ingressの時に冗談になったように求人広告に「当オフィス内からアクセス可能なPokestopあり」なんていうのが誘い文句になってしまうかもしれない…。そもそもその Pokestop は私が Ingress で生やした Portal なので少しは感謝してほしいものだ。というのは冗談として。

ただ一方で、今のところ課金 Lure でひたすら狩っていれば「ポケモンの強化(Gym戦勝利)」と「図鑑埋め」というゲームの2大目的が果たせてしまうということでもあり、上にも書いたが重課金者ほど飽きが来るのではないかと余計な心配をしてしまう。また重課金者とそれ以外でポケモンの強さに相当な差が出るのも微妙なのではないか。ハンデを付けるなりの対策は考えられているのだろうか。

事故の話

友達の車でランチに行く時に試したが、それなりの速度で移動していても最初の10分くらいはポケモンが結構な頻度で出現する。Pokestopのアイテム取得は失敗しがちなので、Ingressのように移動速度ペナルティはあるようだが、ポケモン出現は緩めのようだ。この後調整が入るのかもしれない。

ただまあ、ポケモンGOを運転中にやっていて事故ったとしても、運転者が「ポケモンをしていた」と申告することは殆ど無いだろう。それは運転中にSMSやチャットをするようなもので、完全に運転者の不注意だという告白になってしまう。

実際これは警察もかなり懸念しているのだろう、ローカル警察の Facebook や Twitter でも「運転中にやるなよ? テキスト(SMS) やるのと一緒だぞ?」「歩くときも注意してやれよ? 不法侵入するなよ?」といった警句を流しているので心配具合が分かろうというもの。まあ不法侵入については、Pokestop は元々 Ingress のポータルで侵入がまずいところにはあまりないし、ポケモン探しも特定の場所というよりは範囲内をポケモン自体も動くので、そこまでの危険度ではないと思う。とは言えダウンタウンの裏道みたいな微妙に危険な場所に、特に対象年齢10歳からということなので子供が紛れ込んで危ない目にあう、なんてことは充分ありえそうだ。

ちょっとしたTips

ポケモンGOはこの手のゲームの例に漏れずというかそれ以上にバッテリーをバカ食いするのだが、実は Settings から Battery Saver をONにすると、スマホを持った手を下に下ろす、つまり画面が上下逆さまになるとスクリーンがほぼブラックアウトして節電してくれる。かつこの状態でも野生のポケモンに遭遇すればバイブ通知が来るので問題なくプレイ継続できる。

これは素晴らしい機能で、バッテリー節電自体も嬉しいが、つまりこれは歩きスマホで画面を見続けるよりも手を降ろして前を見て歩いたほうがバッテリーの消費が抑えられるという事なので、歩きプレイ中の事故抑制にある程度役に立つ。この機能は特に説明もなく、気がつかない人は気が付かないだろうから、出来ればなにかで周知してほしいものだ。

これに限らず全般的にヘルプが少ない。例えば Gym での戦闘時は、タップで攻撃の他にも左右にスワイプで回避、ロングタップでスキル使用、というのが出来るのだが、チュートリアルなどが見当たらない。これくらいは解説があっていい気がするのだが。

最後に余談

ポケモンは今でも米国でそれなりの人気を持つが、流石にここ直近の2,3年は勢いが落ちてきていた感があった。そこにこの Pokémon GO のスマッシュヒットは、本体の売上だけではないメディア露出や親子でのプレイなどの強い広告効果がありそうで、ポケモンカンパニーと任天堂にはかなり追い風なのではなかろうか。実際任天堂の株価は米国市場でも猛烈な上げだそうである。

Androidアプリの出来は現時点では正直に言って大変悪い。プレイ中に他の通知の割り込みが入ると音楽・効果音が消えるし、しばらく触らないで歩いているとタップしても画面が反応しなくなったりする。ポケモンをカプセルに入れたところで画面が固まって進まなくなったりというのも頻発する。これらの解決には頻繁なアプリ再起動が必要になる。サーバ側の障害も比較的低頻度だが発生する。サーバ側は基本的には Google App Engine のインスタンスを増やして対応するのだろうから復帰が早いのは救いではある。

まあそんな不満もありつつも私もしばらくは Pokémon GO で遊んでいそうである。最大の敵はフロリダの体感温度45℃を越えようかという真夏の直射日光なのだが。なんでこの季節に出したんだ…。

 

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