数字の数え方は日本でも中学英語で習うものではあるが、実際に口語で発音する場合には学校のそれとは結構違う流儀があって戸惑うことがある。以下は日常での数の数え方をまとめてみたものだが、話す分にはもちろんこうしたやり方に従わなくても通じれば問題ない。ただ逆に聞き取る際にはこうした話し方をされることを覚えておくと戸惑わずに済む。
なお以下は個人的な経験則から書いているので英語としての普遍性などは担保しない。一応米国で8年以上仕事と私生活で英語を使っているのでさほど外してはいないとは思うが、ツッコミは歓迎。
数字の数え方
4桁までの数字
基本的な考え方は以下。 Lazy な方向に全力で向いている感がアメリカ人らしい。
- 4桁までは2桁で区切る。thousand や hundred は長くて面倒なので極力使わない
- 0 はゼロとは呼ばず、0 がないと意味が取れない場合は仕方なく thousand や hundred を使う
例えば 1,015 は One thousand fifteen と読んでも当然通じるが、Ten fifteen と 2桁で区切って発音する事が多い。3桁の場合も同様で、hundred はあまり使わず、123 は one twenty three のように最初の1桁と後ろの2桁に区切って数える。
3001 や 203 など2桁で区切った上の桁がゼロの場合は three thousands one や two hundreds three などになるが、3011 など 2桁で区切っても通じる際には Thirty eleven などのように呼ぶ。アメリカ人はゼロの概念を解しない、わけではないが、ゼロという表現を使うことは少ない。
5桁以上の数字
1ドルが100円前後相当であり、インチとフィートなど桁が一定上がると呼称が変わる単位系を使っている米国では、5桁以上の数字を日常使うことはさほど多くない。5桁以上でも「2桁で区切る」ルールは可能な限り適用されるが、例えば 12,345 は twelve thousands three hundred forty five のように thousand の桁で一度分解される。123,456 になると one twenty three thousands four hundreds fifty six とする場合と、one hundred …(以下同文) と最初の桁の hundred もちゃんと言う場合に流儀が別れる気がする。好みの問題だろう。
また 5桁以上の数字ではそもそも4桁以下を無視してしまうことも多い。123,456 を about one twenty three thousands で終わらせてしまったり、Million の桁になると 11.4 million のように million を基準に少数点を使ってしまうパターンも多い。なおこうした場合の小数点はあまり省略されず、eleven point four million のように発音される。
なお 1,000 を k (kilo, ケー) で表現して例えば 20000 を 20k - Twenty k と呼んだりするのは IT 系では概ね通じるし一般の人も理解できる人はそれなりに多いが、万民向けではないので注意は必要。
小数点
小数点は特に発音せずに一拍置く場合と、明に発音する場合があり、発音する場合は point と呼ぶ。感覚的には数値の議論では発音することが多いが、値段をドルを言う時などは発音しないことが多いように思う。発音しない場合、例えば 19.99 は Nineteen, ninety nine のように小数点のところで0.5秒ほど溜めてから小数点以下を発音していく。
小数点を明に呼ぶ場合は point を使うことが多いので、例えば 23.4 は twenty three point four のように呼ばれる。バージョン番号などでは dot を使うこともあり、v 2.3.8 は version two dot three dot eight のように呼ばれる。
小数点以下については 2桁で区切れる場合は2桁での数字の呼び方をする(特にドルの小数点以下のセント部分)が、桁数が多い場合には例えば 9.0246 はそのまま Nine, zero two four six のように呼ぶ。こうした場合は 0 を zero と呼ぶ事が多いが、o (オー) で呼ぶ人も少なくない。
個別ケースでの数字の呼び方
部屋番号など
四桁の部屋番号であれば普通に2桁に区切って 1234 号室 は twelve - thirty four と呼ぶか、もしくは単純に one two three four と呼ぶ。またこういう場合のゼロは オー と呼ぶことが多いので、例えば 102 は one o two と呼んだりする。
西暦
西暦も基本的には2桁区切り。1995 は Nineteen ninety five 。例外として 200X 年代は Two thousand X の用に呼ぶ。その流れか、現在の 201X 年代も Two thousand sixteen などのように呼ぶ人もいるが、Twenty sixteen の方が短くて楽なのでそっちを使うことを勧めたい。
日付
日付の呼び方は国によってかなり流儀が違い、米国と欧州では異なるし欧州内でも異なるので詳しくは locale のリソースでも眺めるのがいいと思うが、取り敢えず米国では month date, year が普通なので例えば September 9th, 2016 のようになる。サインに書く日付などでは Sep 9, 2016 と書いたり 9 / 09 / 16 のように書いたりといくつか流儀があるが、month date year の順番は概ね変わらない。
時間
時間、時計の読み方は2桁で区切る原則そのもので特別な話はない。例えば 3:37 pm であれば Three thirty seven pm である。o'clock を付けることは少ない。面倒なので。注意点としては、米国人はゼロの概念を解しないので、0 - zero 時という言い方はせず、朝でも昼でも 12 - twelve であるということくらい。また殆どの人は24時間制ではなく12時間制を使うので、23 - twenty three ではなく 11 (pm) - eleven (pm) を使う。
Check (小切手)
Check では数字とともにその数字の英単語記載を併記するが、この場合は2桁区切りなどはせずに thousand や hundred をフルに使って書くのが普通。セント部分は … and 0/00 のように書く。
数に関する豆知識
ドル
米国では 1 ドルのことを buck (バック) と呼ぶことがある。語源は19世紀の開拓者時代に物々交換に使われた buckskin (鹿革) らしいのだがさておき、CM などで “It’s only for nine bucks!” などと使われる。
電話番号
広告などで米国の電話番号を聞くと 800-GET-BACK などのようになぜか突然途中から電話番号が英単語にすり替わることがある。これ、米国の電話ではプッシュボタンの各数字の横にアルファベットが割当てられていて、例えば 2 の隣には ABC とあるので、そのアルファベットが書かれた数字を押せ、という意味。先ほどの GET-BACK だと 438-2225 となる。
アルファベットではなく数字で呼ぶ際は部屋番号のように個別の数字で呼ぶが、800 は eight hundred と呼ぶので、上記の番号であれば Eight hundred - four three eight - two two two five のように呼ぶ。888 は eight eight eight と呼ぶことが多い。なお 800 や 888 で始まる電話番号は米国のフリーダイヤル。